にしよが選ばれている理由
お得意様やお客様から選ばれている理由について、考えてみました。
ホームページで初めてお会いする方々に、どんな着物屋なのか、本当に安心なのか、
と知っていただかなくてははらないからです。
一言で言えば、
「出来ることは、なんでもやらせていただくから」
と、なります。
他店が対応できないことも、最大限の工夫と努力でなんとかしてきました。
「急なことで、小物が足りない」
「カビが生えてる、来週までにどうにかしてほしい」
「他所では落ちなかったシミ、なんとかしてほしい」
等と、本当にいろいろなことがあります。
なぜ、そこまでしているのか・・・やはり、お客様の喜ぶ顔を見ると嬉しいからです。
そして、私も着物が好きだからです。ですから、着物を着ようとしているお客様の
お役に立ちたいと思うのです。
例えば、あまり大きな声では言えませんが、
「にしよで落とせない汚れは、無いに等しい」、と自信を持っています。
それは、これまでのお付き合いの中で、京都にいらっしゃる凄腕の悉皆屋さんと
懇意にしていただいているからです。
自慢に聞こえてしまうかもしれませんが、「老舗だから・・・」という理由で、
業界内の様々な業種の方に可愛がっていただいています。
今回、ホームページでいろいろなご案内をしているわけですが、他店やクリーニング店が数多く参入している中で、「遅すぎる」と言われました。しかし、インターネットの中でもお困りになっている方が数多くいることを業界内の方から聞き知り、お役に立とうと思った次第です。
長くなりますが、私どものお店のことを少しお話します。
私どもの店「にしよ呉服店」は、明治6年初代西澤與三郎により「西與呉服店」として創業されました。創業時は生家である秦荘町円城寺を拠点に滋賀を中心に行商していたそうです。その後現在の唐橋西詰(唐橋町)に拠点を設けました。当時は瀬田商店街が大変賑わっていたので明治40年二代目西澤與三郎により現在の地に店を構えました。それ以来この地においてきもの一筋140年「にしよ呉服店」として商いを営んでいます。おかげさまで親娘(おやこ)三代のお付き合いをさせていただいているお得意様が多くいらっしゃいます。
長きにわたってにしよがお得意様からご贔屓いただいたけたのも
初代 西澤與三郎がかかげた店則
・利益を思ふよりも信用を重んじ
・売り方の心とならず買い方の心となれ
・商品を売らず親切を売れ
を守り真面目に商いを続けてきたご先祖のおかげと感謝しています。
先代の私の親父とお袋の時代は、お得意様から「にしよ、○○見せに来てくれ」と声がかかると昼夜を問わず二人して出かけて行ったのを覚えています。当時はお宅に着物を持って伺って見ていただくというのがお客様のステータスというか喜びだったようで、毎日のように夜は商いに行っていました。出入りできるお家が増え、着物のことならにしよに任せておいたら大丈夫だと言っていただけるようになったようです。
私の代になって、お家にお伺いすることは減りましたが、「にしよさん、明日着物着なあかんにゃけど、小物が足りひんから持ってきて」「来週結婚式で留袖を着ようと思ったら、カビが生えてる。何とかならんか」などお得意様からお声がかかります。その度に品物を持って行ったり、お手入れの相談にのらせていただいて、うちで出来ることは何でもやらせていただいています。こうしてお得意様との関係を深めて、着物のことはにしよにお任せと言っていただいています。
最近は着物離れが進み、呉服屋の数も激減しています。
最近は、相談するところがなく困り果ててうちにお越しになるお客様も増えてきました。
おばあちゃんの形見分けの着物や長い間しまっていてカビが生えてしまった着物や、もう無理かなと思っておられた着物でも十分お召しいただけるくらいには綺麗になります。
出来上がった着物を見て喜んでいただいています。私どもも、本当に嬉しい限りです。
さて、
このホームページを通じて新しいお客様との出会いも生まれます。顔も知らない、どういった店かも分からないのでご不安かと思いますが、そういったお客様にもにしよに任せて良かったと言ってもらえるように、お越しいただいたお客様と同じようにご満足いただけるように精一杯努力いたします。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。